寝屋川市 整体院 腰痛の考え方

query_builder 2025/05/21
ブログ

腰痛の原因、8割が“原因不明”って本当?

──評価とアプローチの分かれ道


「腰が痛いんです」


そう訴える患者さんが来たとき、あなたは何を見ますか?

レントゲン?可動域?それとも神経症状?


もしあなたがリハ職であれば、一度は迷ったことがあるはずです。

“原因不明”とされる慢性腰痛に、どう立ち向かえばいいのか。


今回は、臨床28年の現場経験から、**「原因を2軸で分ける思考法」と、「関節ごとの評価→介入の具体例」**をご紹介します。

複雑そうに見えて、実は仕組み化できるパターンも多いんです。


組織学的 vs 力学的|まず“痛みの正体”を分類せよ


腰痛の原因を追うとき、まず最初にやるべきことは「分類」です。

ざっくり言えば、こう。

 • 組織学的要因:構造的に「痛みの出所」が明確なケース(炎症、損傷など)

 • 力学的要因:筋・筋膜やアライメントの崩れ、筋出力の不均衡によって痛みが起きるケース


現場感覚で言えば、組織学的なのは2割、残りの8割は“力学的腰痛”。

むしろこの“正体が見えにくい腰痛”こそ、我々リハ職が最も力を発揮できる領域です。


【STEP1】筋肉の硬さを4つに絞って見る


組織学的な腰痛であっても、まず確認しておきたいのが「筋の圧痛や硬結」。


見ておきたい筋肉は以下の4つです:

 1. 腰方形筋

 2. 腸肋筋

 3. 最長筋

 4. 多裂筋



触診の精度と“狙い筋”を絞るだけでも、評価の精度は格段に上がります。

力を抜いて触れれば、違和感がある部位は自然と浮き上がってくるもの。

「ここが硬い」と明確にわかる筋があれば、それは一つの「スタート地点」です。



【STEP2】“原因不明”の8割を救う「力学的視点」


力学的腰痛を評価する際、重要なのは**“連動”と“荷重線のズレ”**を見抜くことです。

 • 殿筋の筋力低下が腰部へ過負荷をかけていないか

 • **胸椎の丸み(後弯)**が、腰椎への代償を生んでいないか

 • **仙腸関節(SIJ)**の動きが、制限・過可動いずれかに陥っていないか


たとえば、PSIS(上後腸骨棘)を圧迫して痛みが出るなら、SIJ由来の可能性大。

この評価だけでも、徒手介入の方針が変わってきます。



【STEP3】関節ごとの動きの“癖”を知る


痛みのある椎体レベルをどうやって評価するのか?


おすすめなのが、「極突起の振動評価」と「ヤコビー線」の併用です。


 1. 線(腸骨稜を結ぶ線)を基準にL4/L5を確認

 2. その上下の極突起を軽く揺らしていく

 3. 最も痛みの出るレベルが、主な介入ターゲットになる


この時点で「L4/5あたりが怪しいな」となれば、仰臥位・側臥位どちらでも狙えるポジション取りができます。



【STEP4】モビライゼーションの実践方法(側臥位)


実際の徒手介入においては、側臥位での椎間関節モビライゼーションが有効です。

 • L5を狙うとき:股関節を約90°屈曲し、前腕を臀部に引っ掛け、PSISに指先コンタクト

 • L3など上位椎体を狙うとき:膝をやや伸ばし、股関節屈曲角度は浅めに


力の方向性としては、「上を固定、下を引き上げる」イメージ。

つまり、下位椎体を動かし、上位はブロックすることで、狙った椎間関節に刺激を入れやすくなります。



【STEP5】仰向けでできる“自動モビライゼーション”指導


現場では「治療ベッドの上」でしかできないと思いがちですが、仰向けでの自己介入も非常に効果的です。


方法はシンプル。

 1. 両膝と股関節を90°屈曲(いわゆる“90-90ポジション”)

 2. 両足をソファや段ボールなどに乗せる

 3. 骨盤の下にタオルやクッションを入れ、頭側に軽く力がかかるよう傾斜をつける


これだけで、椎間関節に“緩やかな牽引”が加わる状態が作れます。


患者さんには「この体勢で1日10分」と伝えるだけ。

実践すれば、痛みの軽減や朝の腰のこわばりがぐっと変わってくるはずです。



患者指導の一言が「信頼」に変わる


現場でよくあるのが、「なんだかんだ施術よりも、“こうしてください”と一言添えたセルフケアのほうが感謝される」という現象。


施術者側からすると「え、あれだけテクニックやったのに?」と少し切ない気もしますが……。

実はこの一言が、“自分のことをちゃんと考えてくれてる”という信頼を生むんです。



最後に|“原因不明”を、“原因あり”に変える力


「腰痛の8割は原因不明」──

それは、画像所見や血液検査だけで判断しようとすれば、確かにそうかもしれません。


でも、筋・筋膜・椎間関節・仙腸関節の連動を、触れて・動かして・変化を見ていけば、

そこには明確な“パターン”が存在します。


評価が明確になれば、アプローチも明確になる。

ぜひ、あなたの現場でも「腰痛の地図」を描くつもりで、今日の方法を試してみてください。


それが、次に来る“原因不明の誰か”を救う力になるかもしれません。


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